Hitch your wagon to a star

六本木で働く新米エンジニアが日々考えた事や試してみた事を晒すブログです。

Weekly Reading #量子コンピュータが人工知能を加速する

     今週は「量子コンピュータ人工知能を加速する」(西森秀稔、大関真之著)を読了したので、防備録がてら投稿してみる。 

量子コンピュータ人工知能を加速する

   昨今話題になることの多い量子コンピュータについて、その第一線級の研究者が書いた一般向けの書。ざっくりとではあるが、量子コンピュータの概略が簡潔に説明されているのでイメージを掴むのにはとても良いのではないだろうか。 

量子コンピュータには、大きく分けると量子ゲート方式と量子アニーリング方式の2通りが存在するがD-wave等で既に実用化されているのは後者のタイプの物のようで、その説明を中心に解説が進む。

 

読んでいてなんだかなぁーと思ったのが量子アニーリングタイプのベースのアルゴリズム自体は日本で(というか本書の著者によって)発明され、また量子コンピュータ内部の回路周りの基礎技術も元を辿れば日本で開発されたものであるという指摘。 という事は世界中のどこよりも先に量子コンピューターの実用化に成功していたのは我が国だったかも知れず、歯がゆさを感じざるを得ない。 

 

以下、個人的に思ったこと

さて、こういった最新の研究を実装に持ち込むという意味での力の差がどこから生まれてくるのか?といえば、やはりそれはリスクを取れる人間(ここでは新しい事であったり、ホットな領域に飛び込んでいくという意味で用いる)の多寡に寄る部分が大きいのではないだろうか。(そしておそらく著者もそう考えておられると僕には本書を読む限りは感じられた) さらに言うと、これは基礎研究の社会実装に限った話ではないと思う。 

もちろん経済が停滞し、先行きが不透明な中でチャレンジする事は勇気がいる行為であろうし、安定を求める気持ちもとてもよく分かる。しかしながら、成功するかどうか分からないことにとりあえずチャレンジしてみるというのが選択肢の一つとして、当たり前に考慮される世界であって欲しいと個人的にはとても思う。

その為にどうしたら良いのか?といえば、一度近代的な価値観を破壊し、幸福とは何か?という問いを各個人が選択し直す必要があるだろう。道のりは万里の長城よりも長く、エベレストよりも険しいのかも知れないが技術の発展に伴い、そう遠くないうちにそんな世の中が訪れると僕は信じている。(この辺の話は長くなりそうなのでまた別途投稿したいと思っている) 

なんだか気がつけば初めての投稿にも関わらず、本の内容には関係の無い暑苦しい妄想をつらつらと書き進めてしまったが、そもそもが暑苦しい人間なので仕方が無い。 万が一にも最後まで読み進めてしまった方がいらっしゃったら、ご愁傷様です。「自分不器用なもんで」と言えば許していただけるだろうか、てへぺろ。 

では、また近いうちに。